【前編】くれいじーかろは本当にクレイジーなのか!? マラソン2時間20分切り10回達成!その理由に迫る!
【前編】くれいじーかろは本当にクレイジーなのか!? マラソン2時間20分切り10回達成!その理由に迫る!

【前編】くれいじーかろは本当にクレイジーなのか!? マラソン2時間20分切り10回達成!その理由に迫る!

インタビュー

群雄割拠のランニングYouTuber戦国時代に、個性豊かなランチューバ―の動画の裏側をインタビューする「暴け!YouTubeの裏側」企画

数々の挑戦をするランチューバ―に、YouTubeの舞台裏やここでしか聞けない話に迫りながら、それぞれの「ランニング哲学」をお聞きします!

 

 

今回裏側を暴かれるのは、くれいじーかろさん。

フルマラソン「Beyond」のYouTube動画が57万回再生、最後のびわ湖マラソンで自己ベスト更新されたくれいじーかろさんに、高いレベルで結果を出し続ける秘訣について迫ります。

<聞き手=リバランこわだ>

 

【くれいじーかろ】本名:甲斐大貴(かいひろき) 1994年8月5日生まれ

ランニングチーム「JHOHHOKU CABALLO」代表。パーソナルランニングコーチから練習会「くれいじー練」などを主催しながら、自身はウルトラマラソンで世界を狙う。YouTubeちゃんねる「くれいじーかろ」は開設1年で登録者数8800人越え。フルマラソン自己ベストは2時間17分09秒(2021年びわ湖毎日マラソン)

 

フルマラソンへのくれいじーな2つの理由

こわだ君

かろさん、「なぜ高いレベルで結果を出し続けられるのか」その秘訣を教えてください!!

くれいじーかろ

えぇ~教えるの!?

こわだ君

お、お願いします!!(え、意地悪?)

くれいじーかろ

そんなレベル高くないよ!

こわだ君

でも、実業団時代から数えて何回フルマラソン2時間20分切りされてるんですか?

くれいじーかろ

数えてみる?

【2017年】
フルマラソン全戦績
1.1/29 第65回勝田全国マラソン  2時間22分09(1位)
2.2/28 東京マラソン 2時間18分17(43位)★
3.4/17 BOSTON MARATHON  20172時間35分51(94位)
4.7/2 函館マラソン  2時間26分19 (2位)
5.8/27 北海道マラソン 2時間19分56(21位)★
6.11/23 第30回大田原マラソン 2時間18分20(1位)★
7.12/10 Phukethon 2時間29分37(1位)

【2018年】
1.2/25 東京マラソン  2時間19分05 (51位)★
2.4/8 パリマラソン 2時間25分01 (28位)
3.8/26 北海道マラソン 2時間24分35(43位)
4.11/11 Phukethon 2018 2時間28分23 (1位)
5.12/16 第49回防府読売マラソン 2時間23分49(15位)

【2019年】
1.1/27 第67回勝田全国マラソン 2時間18分29(1位)★
2.3/3 東京マラソン 2019 DNF
3.4/15 BOSTON MARATHON 2時間19分31 (27位)★
4.8/27 北海道マラソン 2時間18分49 (25位)★
5.12/1 第73回福岡国際マラソン 2時間18分55(28位)★

【2020年】
1.3/8 第75回びわ湖毎日マラソン 2時間18分11(39位)★
2.12/6 第74回福岡国際マラソン 2時間23分22(50位)
3.12/13Beyond 2時間21分47(1位)
4.2/28びわ湖毎日マラソン 2時間17分09(128位)★

★…2時間20分切り

 

なんと10回!!

 

ベビーフェイスとは裏腹にスーパーランナー。さすがくれいじー。

 

こわだ君

すご!!川内優輝さんの次に2時間20分切りされてますよ(笑)

くれいじーかろ

もっといるだろ!そんな日本レベル低くないよ!

こわだ君

まぁまぁ(笑)

でも僕からしても、単純に凄いなと。しかも怪我せずにちゃんと大会に出られる秘訣に迫ります!!

 

 

なぜ高いレベルで結果を残し続けられるのか?レース前ルーティンに迫る!

『意識はもう大学の時から。かれこれ7年間くらいウルトラは意識してますね。』

くれいじーかろ

ま、高いってのがすべてではないけど…同じくらいのレベルで結果を出せるのは、そのための練習をするから。

例えば、1000mで3分を切ろうと思ったら、400m72秒で走ればいい。なのにそれを、76秒とかで走る練習しかしてなかったら、走れないことはないんですけど…より実践に近いペース、より実践に近い距離を走る練習をいかに繰り返せるか。

だからフルマラソンで2時間30分を目指すなら、そのペースで走ってみる。分割してもいいから。それを繰り返すことでより安定する。で、どんな時でもできるようにする

こわだ君

ほうほう。

きついときでも、仕事の後でも。
と語るかろさん。心なしか急にカッコ良い先輩に見えてきました。

 

こわだ君

確かに、かろさん実業団時代もほぼフルタイムで仕事しながら走られてましたもんね。

くれいじーかろ

距離踏みのために走って帰ってたから。職場から10km、リュック背負って。それが基本日課。たまに朝練習終わって、そのまま職場まで走っていく。

こわだ君

すごい!今もウルトラで世界を取ることが目標と言われてますが当時から意識してたんですか?

くれいじーかろ

意識はもう大学の時から。かれこれ7年間くらいウルトラは意識してますね。

こわだ君

なるほど!もう視座が高いというか、目標自体が高いから、その過程として今コンスタントに結果が出せてる?

くれいじーかろ

そうかも知れないね。別に100km走ったわけではないけど、長い距離の練習したほうが安定はする。速く走れるかどうかはわかんないけど、自分のハイパフォーマンスに近いところではゴールできると思います。

こわだ君

深いですねぇ。

レースに向けてやられてることやルーティンってありますか?

 

レース前ルーティン①ストレスをためない

くれいじーかろ

特に…

ストレスをためないこと。

こわだ君

そうなんですか?

くれいじーかろ

レースの前だからといって、甘いもの食べない、カフェイン抜く、お酒飲まない…とかはしない。

こわだ君

えぇー!!

くれいじーかろ

もちろん我慢して走らないといけないときもあるけど、例えばポイント練習の時に毎回意識してるならまだしも、普段してないのにいきなり自分が今までのライフスタイルに組み込まれてる日課であることをしないってのは、体がちょっとおかしいと感じちゃう。

こわだ君

深いなぁ…

くれいじーかろ

大会前だからトイレ行きませんとか、歯を磨きませんとか気持ち悪くなっちゃうじゃん。

そんな感じでお酒を急に飲まないとかしちゃうと、急に調子がガタっと落ちちゃうかもしれない。

こわだ君

無理に大会前に食生活や練習をガラッと変える必要はないと。

くれいじーかろ

でもマラソンってよく言われる「カーボローディング」があるので、炭水化物は気持ち多めにとったほうが良いと思うんですけど。

古典的カーボローディングは1週間の前半は糖を抜いて脂質ばっかとることをするんですけどそうすると体調を崩したり体が回復しきれないこともあるので。

それと一緒で、自分の今まで好きなものとか、生活の一部のものを無くしちゃうことによって、自分は「我慢した、よしよし」って思うけど、それがストレスになって走れなくなっちゃうかもしれない。
もちろん我慢したほうが良いこともあるので、その全てではないけど、そこがマラソンの難しいところですかね。

 

最初は意地悪とか思ってすみませんでした。めっちゃ勉強になります!

 

 

レース前ルーティン②新カーボローディングをする

こわだ君

ちなみに新しいカーボローディングとは?

くれいじーかろ

普通に練習量を減らして、糖質を増やしてく。

こわだ君

なるほど。ほかに意識されてることはありますか?それこそびわ湖マラソン前とかは?

 

 

 

 

レース前ルーティン③疲労回復系サプリを摂る

くれいじーかろ

あとは、アミノ酸のサプリとかクエン酸系とか、疲労回復系のサプリはいつもより摂るようにしてる。

こわだ君

まさにアンバサダーのアミノサウルスとか!いつもと違いますか?

 

 

アミノサウルス公式アンバサダーとして活動中のかろさん。
東京でも練習会を開催

 

くれいじーかろ

それも…みなぎってくる感じ(笑)個人差はあると思うんですけど、僕がそれをより感じたのがビヨンドの3週間前の2確認で出場したハーフマラソンで70分かかって、2週間後に福岡国際マラソン走って、その一週間後のビヨンドでシーズンベスト。

普通、今まで一週間後にフル走るとかないから。フルマラソン後は三日間走れないとかあったけど、アミノ酸を取り続けてたからか福岡国際後は次の日から普通に動ける状態で

こわだ君

宣伝抜きでも、疲労回復系のサプリはやはりいいんですね。

くれいじーかろ

体に気を付けるのは、当たり前っちゃ当たり前かもしれないけど。

こわだ君

で、びわ湖では自己ベスト。ほかの選手も記録ラッシュでしたけど、かろさんにとって何か他のレースと違ったんですか?

 

 

 

②今までのレースと何が違った?

自己ベスト2時間17分を出した「びわ湖毎日マラソン」のレース前調整法を大公開!

 

くれいじーかろ

まずびわ湖は…条件が良かった(笑)

 

あとは、プロランナーの岩出玲亜さんと合宿行ってて、大会前に僕からしたら速いペースではない気持ちいいくらいのペースで距離走やって、足ができてたから後半伸びたかな。

 

岩出玲亜選手:プロランナーとして活動中。19歳で出場した「横浜国際女子マラソン」は初レースで2時間27分21秒という10代女子日本最高記録。2018年に出場した名古屋ウィメンズマラソンで2時間26分28秒、総合4位、日本人2位となり、MGC出場権を獲得するなど(MGC9位)女子マラソン界を代表するトップランナー。
岩出選手のYouTube「いわでれいあちゃんねる」はこちら

 

 

こわだ君

距離走はいつくらいに?

くれいじーかろ

12月だから、大会の2か月前に40kmやって。1か月前は40km~30kmを一週間に2本くらいやった。

こわだ君

えぇ―!(めっちゃ走ってる…)なるほど。トップ選手の中には距離走やらない人もいる中で、かろさんはやるタイプ?

くれいじーかろ

まぁ、スピードを出せないから、距離に落ち着く。

で、最終調整としては今回は4日前に30km走をやったかな。

こわだ君

4日前に30km!?8割くらいですか?

くれいじーかろ

そうそう。ジョグみたいな感じだけど。

こわだ君

すごいですね。距離を踏む調整方法…

くれいじーかろ

ほんとは距離踏みたくないけど、たまたまそうなっちゃった(笑)

でも本番はそれで、足ができてた感じがあったから。

こわだ君

しかも「くれいじー」って言いながらですもんね(笑)

くれいじーポーズで声援にこたえるという
新たなランニングスタイルを確立したびわ湖マラソン

 

 

幾度となく好記録を出し続けるくれいじーかろさん。前半部分の話をまとめると、

・大学時代からウルトラマラソンを目指す「視座の高さ」
・体を大切にし、ルーティンにこだわりすぎない「柔軟さと経験」
・レース前でも距離を踏む「クレイジーな調整法」

大学、実業団、個人でYouTubeやパーソナルコーチを行う最先端プロランナーと言っても過言ではないほど。今までの経験が現在の「くれいじー」な、かろさんを作り上げていた。

 

 

次回

コンスタントに結果を出しつつ、100kmウルトラマラソンに挑むかろ選手。
普段から練習会に走って移動するなど、日ごろの練習量からくれいじー。
そんなかろ選手がなぜ故障せず走り続けられるのか? その秘訣に迫ります!!

 

>>後編はこちら

 

 

2023年5,6月のお勧めイベント